事前の準備
・今回の交換に当たって、新規に用意した部品は
*アルミデフキャリアのオイルシール
*デフのテーパーローラーベアリング
*デフマウント
の3部品。
つまりデフ部の交換のみとした。
本来であれば10万Km以上走行している物なのでドラピンまでばらしてやりたかったが、
時間とお金が掛かりそうなので取りあえず今回は見送った。
・さて、実を言えばヲイラは素人(笑)。そこで会社の先輩に極意を聞きながら組み立てていった。
さすが本職(つぅか業務の延長?)なのでそのノウハウは凄いや。
つまり以下の内容は先輩のやっていた内容をテキスト化しただけ。そしてオイラの忘れ防止も兼ねている。
現行デフのフリクショントルク測定
デフアッシーでのフリクショントルクを把握しておく。
経たり(なじみ)の有るデフなので、今度組むデフを組み込んだ後にそこそこフリクショントルクを合わせる
必要がある。何でかって?考えてみよう♪どこで合わせるかって質問は受け付けない(笑)。
但し、ファイナル変更を行なう為にドラピンもばらしてディスタンスピースやハイト調整用の選択ワッシャー交換
まで含む場合は、測っておく必要が無いのは言うまでもないですが。
現行デフのバックラッシュ確認
ドラピンとリングギヤを変更しないと言う事は、新しいデフを組み込んでもバックラッシュさえ合わせれば歯当たりは
変わるはずが無い。つまりフランク当たりのまま後で楽チンになるはず。
無理にずらす必要も無いでしょ?もちろん最後は歯当たり確認はする。
(厳密に言えばデフケースA,Bボス部の公差内の様々なアライメント違い、ベアリングの公差内のばらつきは有るけど)
ちなみにこのデフは4箇所測って、0.09〜0.10ぐらいだったので基準値中央でした。
更に言うと、先輩が測る前に手感での数値と実測は殆ど同じ。やっぱり業務で鍛えられていますね(笑)。
ここは整備書(に書いてあったと思う)通りに歯面の中央部に直角に当てて測定。ついでに言うと測定子の角度も重要!
どうするかは・・・・三角関数がでてきちゃうから・・・・にしないと正確には測定できない。
マグネットベースの置き方は今回、ココに付けた。まぁこれはデフにくっつけときゃ良いでしょう。
現行デフを取り出す
・デフのサイドベアリングキャップに合いマーク&LR区別をスチペンでつけて置く。そうそう、時々ポンチで合いマークをつける
のも見受けられますが、それは不味いよ。あわせ面が狂っちゃうからね。
アジャストスクリューやそれを止める爪も忘れずに。(爪はどうでも良いか?)
アホな我々は、キャップボルトまで付けてみた。(合うわけないけどね。)
ちなみにベアリングのアウターレースは再使用しないので外しただけ。
・そうするとデフが取れる状態になるので取り出しましょう。
取り出したら、リングギヤボルトを外します。ネジロック剤が塗布されているので結構最後まで取りづらい。インパクトレンチが
あれば最高です。
ちょいと気をつけなくてはならないのが、松田のデフ(松田内製品)とリングギヤは隙間バメ?
リングギヤを外して、プラハンで叩くとポロリと落ちます。だからボルトを二本位残して、残りの8本を外してからプラハンで叩く
と良いでしょう。
とっても危ないので気をつけて下さい。浸炭がバリバリ入った表面硬度がすげぇ高いリングギヤの刃先が脚にでも落ちたら・・・・
血の海ですね(笑)。安全靴は忘れずに♪
N、T社の様に焼きバメにはなってないない。それはそれで凄いけど、プライベーターにはギヤオーブンでも無いときついなぁ。
松田で良かった(笑)。
洗浄!
・デフがばれたら、ロックタイトリムーバー(ガスケットリムーバーでもOKな場合がある)をリングギヤボルトとリングギヤの雌ネジ部
へたっぷり吹きかけておきましょう。今回はファナルは4.3のままだし、ボルトも問題ないでしょうから再使用です。
厳密に言えば雄ネジ、雌ねじも最初に組んだ時のあたりが出ているので痩せちゃって多少は変わるかもしれません。
この間に別の作業をやっておく。気付けば結構経っていた(笑)。
そひたらワイヤーブラシで念の為、こすった後に洗浄・脱脂。
・更にデフケース内をお掃除お掃除♪ドラピン側に残っているベアリングやオイルシールに気を使って、無理に洗浄剤での洗浄は止めましょう。
残留した洗浄液がシールや今後入れるで有ろうLSDオイルに悪さしたら面倒ですから。ましてやベアリングが焼きついたら大変!
今回はウエスで除去。サイドベアリングが乗るところも忘れずに。
・左側のオープンデフはさようならぁ〜。
オイルシールを抜く
・ここは新品にするので油圧プレスなんぞを使用して抜きます。
キャリアがアルミなので気をつけて!
この段階で極秘のブツがこのデフキャリアには仮で組まれています。>TKOさん。例のブツ♪
現行ドラピンのフリクショントルク測定
・上のほうで書いたデフアッシーと・・・だから・・・・です(笑)。
考えれば分かると思う。
サイドベアリングの組み付け
・新しく組み付けるク○コデフの登場です。1、1.5wayは明らかに設計上問題があるので2Wayに組みなおした物です。
こいつにベアリングのインナーを圧入。普通に。ちょいと秘策を施しながら(ってたいそうな事ではないが)
後は一般的な事象に気を使い、水平・インナーのみを押せる上手いジグで圧入すべし!
んで付いた♪
我々は最初から付いていた○○油がついたままで圧入。多分松田は新たに洗浄して○○オイルを塗ることなんぞ無い。(と思われる)
それは最終的な○○○○○○トルク確認時にあーでこーだから(笑)。
デフの組み立て
・整備要領書通りに、ネジロックを付けて組み込む。通常ネジ側はネジに付けるんだけど、ここではリングギヤの雌ねじに付ける
事になっている。先輩曰く、量産を考えれば・・・そりゃそうだ!ネジになんか塗ってたら時間ばっかり食っちゃうよ。
ボルトは通常オイルくっつけて締めこむでしょ?んじゃないと歯面摩擦で規定のトルクが掛かったようで掛かってない。
いや待てよ?オイルを塗ったら歯面摩擦係数が低くなるので今度は軸力が出すぎるのでは?と余計な話しをしつつ、ネジロックを
塗る場合はどうなんだろうと話す。
結果、オイル無し。ネジロックのみ。とした。
それと合わせ面も塗り塗り♪整備要領書では同じネジロックを使っているようだが、我々はそれぞれ適材適所のネジロックを
使用。いいカモ♪
LSD付きのデフをキャリアに載せる
・大分進んできた。後は元通りに組み立てる。
デフのボス部のベアリングにアウターレースを組み付けて(ベアリングの接触面には秘策を施しておく。これまた大した内容ではないが)
アジャストスクリューと供にキャリアに載せて、ベアリングキャップをする。ベアリングキャップボルトも軽く締める。
(アジャストスクリューが回るようにね。)
左右のアジャストスクリューを締めこんだり緩めたりしながら『感ピューたー』に任せて、大体のバックラッシュを出す。
先輩は凄かった>持ち上げる。
バックラッシュは0.07〜0.1mm!いきなり出てるよ。しかも全箇所。
業務で鍛えられましたね?
半笑い。なにかオイラおかしいことしました?
LSD付きデフのフリクショントルク測定
・で、いきなりだけど松田はデフアッシーにおけるフリクショントルク測定値の規定が無い。何ででしょう?ドラピンだけは有るのに。
まぁオイラも不思議にさえ感じてませんでした。(笑)
で秘策を施しておく。これは目からうろこだった。(ボロボロ・・・・)
取りあえず秘策を実施後、測定。その後、最初と同じ様なフリクショントルクになる様アジャストスクリューで調整。
でも片方締めて、片方緩めるようなアホな事はしないように(笑)。歯当りが変わっちゃいます。
でもこの整備要領書の内容で問題ないのかな?よく判りませんが。
で、事件発生!!!
・バックラッシュの調整も出来て、トータルのフリクションも狙い値にあわせたので、仮締めだったベアリングキャップボルトを
締める。
整備要領書によると規定トルク:6.9〜9.1kg・mと記述されている。当然、我々もその様にする。一応仮締めが5kgmだったので
まずは7kgmを狙う。
が!!!!
なんで!!
ボルトが塑性変形した?しかも規定トルク以下の5.5kgm〜6.0kgmで4箇所全部。
と言う事で原因不明のままこの状態で組み込むことは危険と判断し、作業は中止。
その後判明したのですが、その後の整備要領書の改訂版で、規定値:3.8〜5.3kgmとなっていた。なーんだミスプリか。
わずか\130×4=\520の為にすげぇ悩んだじゃないかよぉ〜。
と言う事で、本件は持ち越し決定!
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